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翼をどう折るか [折り紙]

まつもとさんの折る翼は、下面から見たときに前肢のラインが明瞭に出ている。実際に鳥を見ていると、かなり明瞭に骨っぽさが出ている鳥(たとえばカワウ)もいればそうでない鳥もいる。前者のような鳥については前肢のラインを明瞭に折り(と言っても簡単ではないが)、そうでない鳥は、骨っぽさを抑えつつ骨っぽさを出す、という方向もまんざら悪くないのではないだろうか、というのが現時点での私のコンセプトである。

さて、前肢を明瞭に表現した翼というのはまつもとさんという前例がある(実際に折るのは難しいが)。では、骨っぽさを抑えつつも骨を意識した折り方というのはどうすればよいだろうか、というのが挑戦の1つとなる。いかに鳥の翼を考慮した折り方にするか、ということと、拡張性の高さも忘れるわけにはいかない。

上腕骨と橈骨尺骨のライン(赤い線)を折るのは今までも普通にやっていたが、従来は翼膜の部分は弛んだままにしていた。その部分(矢印の部分)を段折りにしてしまう、という、まぁただそれだけのことが、現在採用している折り方である。当然、ただ単に段折りしただけではすぐに広がってしまうので、うまいこと留まるような折りを施している。
従来は曲面だった翼膜部分が平面になっているということであり、肘の位置を頂点とした低い三角錐のような形状になっているということである。
前翼膜腱(青い線)は上腕骨近位端に発する長翼膜張筋(緑の線)によってテンションがかかった状態になっているので、翼膜の前縁はあまり弛ませすぎるのもよろしくないのではないか、というのが1つ。
そして、翼は単なる平面ではなく、肘がやや上に持ち上がった位置に来る(ので翼を横から見ると低いカマボコ状になる)。その三次元的な骨の位置関係をかなりはっきりコントロールできるようになるのではないか、というのが1つである(これらは例えば鳥のX線解剖アトラスがわかりやすい)。

もっとも、直線的すぎるのではないか、という面もあるので、もしかしたらまた改変することになるかもしれない。

いずれにしても、こういう折り方を採用する以上、それぞれの骨の長さや翼の盛り上がり具合、翼膜の幅などを押さえなければならないため、またハードルを上げているとも言える。


タグ:試作

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