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何でも手軽にできると思っているんじゃろか… [一言]

このブログ、開設当初から一貫して“書かれている内容は基本的に「非科学”と明記しているにも関わらず、さる知恵袋系サイトから、イッカクに関する質問に対する参考としてリンクされている。
あまりのテキトーさに唖然としたわけだが、少なからぬ人は実は「分かりたい」のではなく「手軽に分かった気になりたい」だけなのではないかと推測した。




理解するには色々なコストがかかるもので、ものすごく基本的な概念を理解するだけで何年も試行錯誤してしまうようなことだってママある。当然その間の時間的金銭的コストもまともに計上したら馬鹿にならないものだろう。ただ、そういった労力は自分が理解したいから好きこのんで払っているもので、当の本人はそれほど「苦労」とは思っていない。実際には少なからぬ苦労はしているだろうが、かといって大概の場合、それを殊更「苦労しました」と触れ回りたいという感覚にはならないものである(裏話的なネタにはなるかもしれない)。逆に、途中で挫けるならその程度の興味だった、ということか、もしくは社会人として真っ当な感覚の持ち主だったために手を引いたか、といったところではなかろうか。

分かった気になりたいだけなのであれば、「どうぞお好きに」と言って線を引くだけだろうし、分かりたいのであれば「それなりの労力を要しますよ」と言って本を紹介するか現場に放り出すだけだろうし、そしてたぶん実際それしかやりようがなさそうな気もする。
理解に達しなかったのは(真っ当な社会生活を送っているかもしくは)己が不足していたのであって、それを「誰でも理解できるように説明しろ、問題はそうしないお前にある」などと恥知らずかつはた迷惑な八つ当たりをするな、と。攻殻気取りではないが「不満があるなら自分を変えろ、それが嫌なら耳と目を閉じ口を噤んで孤独に暮らせ、それも嫌なら…」と、正直そう言い放ちたい気分にもなる。

(より分かりやすく説明できうるところを、そうはせずに「理解できないお前が悪い」と切り捨てるのが問題なのは言うまでもない。一方で、理解したいならばそれなりの労力が必要なのは当然のことだし、あらゆることについて誰にでも容易に理解できる説明をするよう要求するのもお門違い-そんなところに過剰なコストはかけていられない-)
 



が、たぶんここではそういう批判も微妙に外していて、というかそれだけでは不十分で、おそらく自分が違う土俵に立っていることに気がついていない、という、そんなところもありそうである。
同じ事柄について議論(らしきこと)をしているつもりになっているが、どういうわけか話が噛み合わない、同じ単語を使っているのに意味が通じ合わない、そういう状況を見るに、背景にある哲学というか体系というかロジックというか価値観というか、そういうところがそもそもずれていて、問題は、そういう土俵が違っていることに気づかずに八つ当たりしているところではないかと(事の真偽はともかくそんな事を考えたらあまりのことに気分が暗澹としてくる…)。
実際本当にそうなのかは分からないが、会話の中で妙に外したアナロジーを使っていたりするのを聞いたりすると、なんだかそんな気がしてならない。




何でいまさら改めてそんなことを言うのかというと、どうもそういうタイプの人は決して少なくないような気がする、というか、いや、ただそういう人がいる、というだけなら事態はまだ楽観的で、厄介なところに限ってそういう人がいる傾向があるような気がするのである。
多くの他人に対してなるべく分かりやすく物事を説明する必要のある立場にあり(あるいは単に「教えたがり」「話したがり」な人で)、にも関わらず自分の言っている内容の妥当性をシビアに検証されることが少なく、しかも中身はともかく社会的にそれなりの立場にあるような(あるいはあるように見せかけられる)人、例えば、発言力だけは無駄に強い人の一部であるとか、教育する立場にある人の一部であるとか…。
立ち位置の違いに気づいていなかったり、気づいているが異なる立ち位置同士を等価と考えていたり、そのうえ自分は理解するための労力はあまりかけたくない…というか、そもそも実は自分は「手軽に分かった気になりたい」だけなのに、そのことに無自覚で、自分はあくまで「分かりたい」のだと誤認している。

なまじ「手軽に分かった気になりたい」以上、この人の言う話は、周囲の一般の人にとっても耳に心地よく同様に分かった気になりやすいかもしれない。しかも、それこそが真の理解だと誤認したうえ、それがどんどん伝搬していきうる。




ここまで書いたことは、言うまでもなく半分以上が妄想に依っているわけだが、こんなような感じのことに何度か遭遇しているのは実際のところである。そして何やら、現状、先に光が見えないような気がするのも実際のところである。
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