対趾足 [生物]
そもそも対趾足って何なんだろう。対趾足=樹上生活への適応というのはたぶん妄想の域を出ない。キツツキ類が垂直面に止まるときの趾の配置は、大雑把に言うと前2後2ではなく前2外側1後1という配置であり(このことから特に外対趾足と呼ばれる。写真の趾のそれぞれの長さや配置に注意。機能と骨格を併せて見ること)、しかも後ろを向いている第1趾は、野外で観察している限り役に立っているんだか立っていないんだかよく分からないこともある(具体的に言うと、たとえば幹を捉えているというのではなく横倒しになってつぶれていることもある)。ミユビゲラのように第1趾が消失しているキツツキもいるのだからなおさら怪しい。実際にキツツキが「対趾足」の状態になっているのは、横枝に「普通の鳥のように」止まっているときや水平面に立っているとき、あるいは死んだときである(仮剥だけを見て、キツツキは幹に前2後2で止まっていると断言するかなり危うい人もいるが…)。
対趾足としてお馴染みのカッコウ類や中でもオオミチバシリが果たして樹上生活に高度に適応しているのかと言えば、前者については首を傾げるし、後者に至ってはいよいよ嘘臭い。Ground Woodpeckerが(外対趾足ではなく)対趾足であることも見逃せない。オウム類の生態は寡聞にして知らないため言及は避けるが、ミサゴやフクロウ類のそれは、おそらく樹上生活への適応というのが第1の理由ではないだろう。
それで結局、対趾足って何なんだろう、ということなのだが。…何なんだろう。
タグ:形態
2006-09-07 00:00
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