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樹上性って何? [生物]

何かときどきドカンと話題になってくることがある鳥類の初期進化の話題。ネット上で繰り広げられる「議論らしき」やりとりのほとんどは全く非科学的というか、最節約的という考え方を誤って乱用し、非現実的なまでに事態を単純化したものだったりして、読むだけ時間と労力の無駄というものが少なくない。

そんななか、樹上性か地上性かという議論がよく起きる。そこで、科学的な立場の人にも妄想の世界に生きる人にも訊きたい。

「樹上性」って何ですか?

何をどこまで木の上でやっていれば樹上性なんですか?キツツキは典型的な樹上性とか言う人がいるけれど、主食のアリを採餌するため地上にいることも少なくないと思うんですが、それでも典型的なんですか?ミクロラプトルは死ぬまで一度も木に登らなかったんでしょうか?

真っ当な研究者にそんなことはないと思うが、樹上性とか地上性という言葉に踊らされて、論点が逸れていると感じる人は少なくない。

たとえば、ライフサイクルのある段階で(のみ)高度に樹上を利用する、であるとか、繁殖期のみ樹上を利用する、といった生態をもつ(仮想的な)生き物は、樹上性なんだろうか、地上性なんだろうか?どちらに分けるべきかと悩むことは、おそらく鳥類の初期進化を考えるときにほとんど意味を成さない。

当たり前の話だが、「樹上起源」と「樹上性」を、同様に「地上起源」と「地上性」を明確に分けて考えなければならないし、分からないなら何かを語ってはならない。


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