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_Odontogriphus_ [生物]

唐突に開設してみたブログだが、おそらくはいつまで経っても「テスト稼働」のままだろう。いつまで持続するかもさっぱり分からない。ともかく、「無いも同然の私の記憶領域をちょっとでも整理拡張できれば」くらいのつもりで、試しに動かしてみることにする。

さて、本家のサイトも数ヶ月は休業状態のままだったわけで、その間にも様々なことが起こっていた。まずはそれほど新鮮でないところから、ちょっとずつ話題を掘り起こしてみる。

Odontogriphusの実体にぐっと近づいたのよ

Odontogriphusというと、海の中を一反木綿のように泳いでいる油揚げのような姿を思い浮かべるものだが、しかし果たしてホントにあんな動きをしてたのかよという素朴な突っ込みも入れたくなってくる。
そして、The Fossils of the Burgess Shale にも

one of the rarest of the Burgess Shale animals.

とあるように、これまで1標本しか見つかっていなかった。

The Fossils of the Burgess Shale

The Fossils of the Burgess Shale

  • 作者: Derek E. G. Briggs, Douglas H. Erwin, Frederick J. Collier
  • 出版社/メーカー: Smithsonian Inst Pr
  • 発売日: 1994/11
  • メディア: ハードカバー


とにかく稀少で得体の知れない生き物と認識されていたわけだが、かといっていつまでも珍しいだの分からないだの言っているわけにいかない。着々と研究は進められていたようで、掘りに掘って新標本がなんと189個。より保存状態の良い標本も見つかり、ついにOdontogriphusの正体にぐっと近づいたというわけだ。

いままで8の字型の口のように見えていた部分は、軟体動物の口器に見られる歯舌であったらしい。だもんで、Odontogriphusは貝なんかに近縁という結論になったらしい。体の縞模様も、実は正中線上の「足」とその両側に並ぶ「鰓」だったようで、這い回りながら藻類を食っていたようなイメージだったのかもしれない。非科学的な印象だが、こぉ、ウミウシなんかとどこか近しい雰囲気があったのかなぁ、なんて勝手に想像してみた。


Caron, J.-B., Scheltema, A., Schander, C. & Rudkin, D. A soft-bodied mollusc with radula from the Middle Cambrian Burgess Shale. Nature 442, 159-163 (2006).

the Royal Ontario Museum の press release
http://www.rom.on.ca/news/releases/public.php?mediakey=axxy03tzjj
Nature の Editor's Summary
http://www.nature.com/nature/journal/v442/n7099/edsumm/e060713-09.html
CBC News 化石の写真と復元図
http://www.cbc.ca/story/science/national/2006/07/12/mollusc-fossil.html
日本語で
http://www2.tba.t-com.ne.jp/nakada/takashi/scripts/paleontol.html#060717


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